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象 を通して出会うこと。出会う人。

ニュールンベルグ動物園 の象達

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ニュールンベルグ動物園 入口




ニュールンベルグ動物園に、現在 象は居ない。
ただ 居ないだけではない。
没有 (ナイあるよ) なのである。

つまり、居ない、ということが、しっかり存在しているのだ。
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この象舎で 何頭かの象が飼われ始めたのは 1939年 5月 という。
第二次世界対戦で 動物園は大きな被害を被った。
しかし 象舎は 持ちこたえ、その後 改装が加えられていった。


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最後に飼育されていたのは、Kiri とYvonne という2頭だったが、
病気にかかり 短期間のうちに 亡くなった。
(恐らく 安楽死 と思われる)

2008年のことで、どちらも40歳 前後だった。

象舎は 既にヨーロッパの象飼育ガイドラインに合わず
寒い季節、室内で暮らす事が多くなる象のために 施設の大改造が必須であった。

当時の市長は 象飼育の継続を望んだそうなのだが
動物園側が、「象の居ない動物園」を決定した。
旧象舎には、現在 インドサイが 暮らしている。


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昔の象舎は 面影を残しながら 改装された。
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現在 インドサイ の放飼場も、象が居たとしたって
決して狭いわけではない、
と思うのは 日本の動物園を見慣れているからだ。

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佐渡友陽一 氏の 「日米独 の 動物園経営組織に関する研究」(20173月)
によると、

ニュールンベルグ動物園は 例年10万ユーロ、約1200万円の寄付が
(ほとんどは) 社団法人 ニュールンベルグ動物園友の会 を通じて寄せられる、という。

約 8億一千万円要した マナティーハウスの建設費のうち
2億5千万円は、この友の会からの寄付であったという。


象の多頭飼育、将来の繁殖も見込んでの飼育施設は
恐らく もうひと桁違う数字だろうと想像する。

少なくとも 敷地の広さは充分にあったとしても
動物の生態に合った 充分な飼育が出来ないのであるなら、
「飼わない。」

その選択が、ナイあるよ、の意味だ。

象が居ない、とクレームがあるのかどうかは知らない。
しかし、入園者数の減少はない、と聞く。

私自身、今回訪ねたドイツのそれぞれ個性的な5つの動物園のうち
もう一度是非訪ねたい、と心に印象が残っているのは ここである。

象への 気持ちの執着がなかったから、
かもしれないのだけど。




by maria-elephant | 2017-07-02 15:06 | 象を訪ねる

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