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象 を通して出会うこと。出会う人。


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43年間 この舞台で1日を過ごし、人間しか見たことのない
宮子 という象がいる。

水をかけてやると 宮子は 「もっと、」とせびり続ける。
止めると 不機嫌になって 手に負えない。
だから、もう水浴びはさせない。

たったひとり、宮子が頼りにできる飼育係の方は
そう、仰った。

この日の夕方は 千葉県から来た お泊まり保育 の園児のお相手をして
ひとりひとりから 小さなパンの耳を受け取った。
先生から頂いたお土産のスイカを頬張った。

足が悪いので、 この5月から足を折る挨拶はやめさせている。
「あの時は わがままじゃなくて、足が痛かったんだろうな、」

宮子に ちょっと悪かったな、と思い出すように、
35年以上 宮子の飼育を務めるベテランが 陽気にそうつぶやいた。
笑顔がとっても似合う方だ。

小さな足の故障も 象にとっては重大な事、
もちろんご存知でいらっしゃる。


遊園地のジェットコースターの騒音に 耳をふさぐでもなく
健気に、 与えられた任務を 今日もはたして
待ち遠しそうに 青草が待つ寝室へ消えて行った。

そんな 宮子 という象が. この国にいる。
宮子 という象がいる / Named Miyako at Utsunomiya Zoo_f0362800_07594446.jpg
Miyako, she came to this small zoo in Utsunomiya City
In 1974 from Thailand when she was baby of 1 year.

She spend all day at her Lovely tiny space
Without any toys or enrichments.
People enjoy so much giving her something to eat directly.

" .... "






# by maria-elephant | 2017-07-27 10:42 | 象を訪ねる



Music for Elephants_f0362800_00173701.jpg


日曜日の夕方、練習にひと息ついて、ピアノの前に座ったまま
facebook をチェックしていた時だった。不思議な画像が飛び込んで来た。

埃っぽい野っ原にグランドピアノが用意され、男性が演奏の準備をしている。
横には 何と 象が一頭 大きな存在を露わに、
まるで 彼の演奏が始まるのを待っているようではないか。

今、「ピアノ」と「象」は それぞれに私の中で大きな位置を占め,
気持ちの中では強く結ばれているものの、
音楽の仲間内では 象の話に耳を傾けてくれる人は まず居ないし、
逆も然りで、従って 私も全く分断された2つの世界を行き来するしかないのだった。

それが いとも簡単に 明快な構図で、つまり「 ピアノと象」が一緒に
しかも 既に何百万人もの人が分かち合う画像であることに
いささか衝撃と戸惑いを隠せなかった。
まるで世界中で私だけが取り残されていたような。


ドキュメント風に編集された映像は 彼が英国生まれのコンサートピアニスト
であったこと、盲目の象、プララに ベートーヴェンの名曲を聞かせたことから
始まった活動の経緯などを 手短かに紹介してゆく。

その場面、プララがベートーヴェンを聴き入る様子、別の象はジャジーな
リズムがお気に入りのようで、演奏に合わせてリズムに乗り、
鼻でピアノの鍵盤を叩く場面なども挿入されており、私の目は釘付けとなる。

ピアノを愛する者なら 埃や湿気の中に楽器を放り込むことが
どんなに無謀で バカげたアイデアか、まず思うだろう。

ところが、その男性は、
鼻で体に「砂かけ」(象の習慣)する象の前で、あるいは
うっそうとした背丈ほどの青草の中で、
そんな事お構いなし、とでも言うように演奏している。

そして、自然の中でひとり、象のために演奏することに
今までになかった、かけがいのない幸福を感じる、と語るのだ。

何者なのだろう? 練習はそっちのけ となる。



Paul Barton というその男性は 1961年英国ヨークシャー生まれ。
アーティストであった父親から 恐らく幼少期から美術と音楽の影響と
手ほどきを受けたと思われる。

16歳でロンドンのロイヤル アカデミーに入学し 美術を学ぶ傍ら、
12歳で始めたピアノ演奏も 彼の大事な表現手段として、又活動のひとつとして
途切れることなく続けられていたという。

youtibe でのピアノ指導はよく知られるらしい。
HPは、むしろ肖像画家、アーティストとして紹介されている。

1996年に タイ ピアノスクールに指導のために訪れ、
現在の妻との出会いをきっかけに定住を決めた。
動物保護に関心を寄せ 活動する妻の影響は 無論大きかったのであろう。
タイ中を旅し、彼らは悲惨な象達の姿を目の当たりにする。

1989年、タイ国の森林伐採禁止後、失業した使役象達、特に過酷な労働で怪我し
障害を持っていたり、密林をかき分けながら 木の枝が刺さり失明した象は
無用となり 多くが見放された。

自分達の故郷を破壊する為に働かされた彼らは、
幼い頃に母親象と離され、野生で生きるすべも知らない。
そんな象を保護する施設 elephant world に アーティスト夫妻は出会う。

そこで、自身の50歳の誕生日に、彼は夢であった ある計画の実現を思い立つ。

2年間 盲目の子供達と接し、音楽がコミュニケーションとして及ぼすインパクトに
手応えを得ていた彼は、ある盲目の象にも試してみたい、と思い続けていたのだ。
プララというその象は とても賢く、きっと音楽を好むだろうという予感もあった。

ピアノを象の保護施設に運び、食事をするプララの前にセットした。
考えたあげく、ベートーヴェン 月光ソナタの2楽章が選ばれた。
ベートーヴェンに宿る 音楽の真実を、彼は信じたに違いない。

演奏を始めた途端、プララは 食んでいた草の両端を口から出したまま
咀嚼を止め、演奏する彼の方をじっと見つめる様にして 聞き入っていたという。

Music for Elephants_f0362800_11044032.jpg
インタヴュー記事でも語られているが、この計画の主なる目的は、
保護施設のための募金であった。メディアに発信する録画準備もされていた。

しかし プララの反応には 彼自身が驚かされ感動し、「象のためのコンサート」
活動を始めるきっかけとなったという。
傷ついた象達の心を クラシック音楽を通して 少しでも
解き放してあげられたら、、、。
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ピアノを キャスターが付いた台に乗せ、ガタガタの山道を運ぶ。
背中を痛めている彼には、辛い仕事である。
でも、戦争に、森林伐採に、観光にと 人間のために 長い間働かされた
象の苦痛に比べれば これっきし、と彼は語る。

ヒトとして、彼らに本当に申し訳ない。

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中でも ピーターという象は 彼と一緒に演奏を楽しむ。
このピアノ、ピーターが黒鍵だけを叩ける様になっているらしい。
ペンタトニック(黒鍵の音)は どんな音楽にも一応馴染むからだ。
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優れた記憶能力を持つ象はだからこそ、
辛い経験を忘れず心に傷を負っている。

しかし、人間と同じニューロンを持つ彼らとは、
言語を越えたものを分かち合える。
音楽を通して、何か特別な絆を築けるんだ、

アーティストはそう語る。
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とは言え、
1日かけて調律したピアノが、翌朝無残に姿を変えていたことも。
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ピアノの椅子に腰掛けたい象も居たりして。

象が その怪力のために危険である事は忘れちゃいけない。
でも、子供がうっかり壊してしまった玩具を見つけた親のように、
アーティストは寛容に、笑ってピアノを修理した。
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目の見えないプララは、病気が悪化して 起立が不可能となり、
虹の橋へ旅立った。
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小曲であろうと、長い曲であろうと、
ピアノであろうと、リコーダーであろうと
演奏が始まると プララは 微かに震える鼻を口にくわえて聴いていた。

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そして 終わると 鼻を伸ばし、楽器にそっと触れるのだという。
Music for Elephants_f0362800_12165075.jpg
プララが旅立ったあと、
両親が亡くなった時と同じ位の大きな悲しみが続いた、
と、アーティストは 遠くを見つめてつぶやく。

でも、プララの心にはベートーヴェンやラフマニノフ、ラヴェルの
メロディーがいっぱい刻まれていたはず。

そう思いたいけれど、
アーティストは、美談や正義や勝手な解釈を一切語らない。


楽譜のセットを終え、ピアノの前に腰掛けてから
彼は 横にいる象に話しかける。
演奏を聴いてくれる友人が、たまたま象であるかのごとく自然に。
「ベートーヴェンの小曲なんだ」

そうして始まる「コンサート」、彼の人柄を語るこの場面を
何度 繰り返して見たことだろう。

もしかしたら、
日本で暮らす象たちの 心 にも響くエンリッチメントの方法が
あるのではないかしら。


日曜日、もうすっかり日は暮れてしまっていた。




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Paul Barton 自画像













# by maria-elephant | 2017-07-11 14:32 | 象と 音楽と
ケルンの象達_f0362800_15110254.jpg
その朝、突然
ケルンの象舎の写真が頭に思い浮かんだ。
はな子さんの回顧展で見た、巨大なキノコの下に象がたたずむ、
なんか よく分からないあの写真。

はな子さんに、ちょっと見てきて、とでも言われた気持ちになり、
予定していたチューリッヒではなく
ケルン行きに乗ってしまった。

快適なドイツの特急列車は wifiも問題なく接続できて
移動を利用して メイルのチェックや、facebookへ写真をアップしていた。
と、ところが ホームに入って来た列車は
まさかの旧型おんぼろ電車。

当然、wifiなど繋がるわけがなく、ぶう、とふくれていると
まあまあ、とでも言うように車窓に現れたのは
思いがけないプレゼントだった。
フランクフルトを過ぎると、列車はライン河に沿って走り出したのだ。
ケルンの象達_f0362800_22320248.jpg
名所 ライン河の古城を訪ねる船下り、
マインツ、コブレンツのあたりを地上から眺める。
ケルンの象達_f0362800_22323520.jpg
ケルンの象達_f0362800_22322506.jpg
ケルンの象達_f0362800_22321215.jpg
5時間の長旅だったが 車窓に癒されながらケルンに到着。
(もっと速い特急はあるはず)

駅を出た途端、、真っ黒な大聖堂に圧倒される。
荷を置き、とにかく動物園に急いだ。
ケルンの象達_f0362800_07074079.jpg
地下鉄でのアクセスも良く、
子供に媚びない「おとなげアル」動物園入口だ。
ケルンの象達_f0362800_23140909.jpg
ケルンの象達_f0362800_22324794.jpg
20ヘクタールの敷地の中、
ケルンの象達_f0362800_07203147.jpg
2004年に造られたという、2ヘクタールの象の施設は やはり圧巻。
(木の影になってしまった一帯)

ケルンの象達_f0362800_23134771.jpg
屋外には 観察ポイントがいくつかあるけれど、その移動もハンパでない。
しかも、この日は5月末 というのに 30度を越す猛暑。
象達も 木陰にたたずむのだろうか、と汗だくで探す。

ケルンの象達_f0362800_23132527.jpg
これが はな子回顧展 で見た写真と同じポイントからだと思う。
キノコ と思われた物体に納得する。
さて、いったいここには何頭の象が暮らしているのだろう?

ケルンの象達_f0362800_08402971.jpg
こういう 一頭ずつの紹介パネルが、15枚 ズラ〜っと並んでいて、
つまり 15頭は、屋内にも屋外にも散らばっているし、
ケルンの象達_f0362800_23112629.jpg
こういう穴に鼻を突っ込んで おやつを探すのに夢中で
お尻をこちらに向けている象も多い。
パネルには、その象の特徴を記してあるものの、全頭識別は難しい。
ケルンの象達_f0362800_23103625.jpg
パネルによると こんな具合のメンバーだ。

Jung Bul kue (オス)2017年1月26日 ケルン動物園生まれ
Sang Raja と Maha kumari (母) との子。

La min kyaw (オス) 2016年 3月16日 ケルン動物園生まれ
Bindu と Shu Thu zar(母)の子。

Bindi (メス) 2012年 7月25日 ケルン動物園生まれ
BinduとShu thu zar の子。

Shu Thu Zar (メス) 1994年 6月3日 ミャンマー生まれ
Pho laoe と Win Pa pa の子

Kree blamd nam (メス) 1984年 タイ生まれ

Rajendra (オス) 2011年 4月8日 ケルン動物園 生まれ
Sang Raja と Tong Koon の子

Tong Koon (メス) 1988年 タイ生まれ

Maejaruad (メス) 1989年 タイ生まれ

Laon gdan (メス) 1990年 タイ生まれ

Marler (メス) 2006年3月30日 ケルン動物園生まれ。
Radzaと Khaing Lwin Htoo (死亡) の子

Maha Kumari (メス) 2007年5月9日 ケルン動物園生まれ
Bindu と Thi Ha Phyu の子

Thi Ha Phyu (メス) 1990 ミャンマー生まれ

Moma (オス) 1999年 3月20日 ケルン動物園生まれ
Sang Raja と Marlar の子

Sang Raja (オス) 1999年 3月24日 シンガポール
Lasha と Sri Nadong の子

Bindu (オス)1969年 スリランカ生まれ


以上15頭居るかしら。
こう見ると、この動物園で生まれた象が 6頭も居る。
新しい象施設になってからの新世代児だ。

それに、今年生まれた Jung 君と Moma君は、この動物園で生まれた象が産んだ子。
つまり 3世代家族が 2組居る、ということだ。

凄すぎる。
(Marlar の母親は亡くなったので Moma君のお婆ちゃんは居ないのだけど)

15頭も居ると お誕生日会は忙しいだろうなあ、
3月生まれなど4頭居て,毎週 ハッピーバースデーを歌うのかどうか知らないけど
現在はなんとも 羨ましい状況だ。

さて、今年生まれのギャング2頭は 2ヶ月しか違わない腹違い兄弟。
昨年生まれたオスの子象は、2頭のチビギャングのボスだ。

皆、離れ離れになってしまうのは 時間の問題かもしれない。
今のうち 一緒にいっぱい遊んで お母さんに甘えてね、と見守る。
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少し大きな お兄ちゃん。

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異母兄弟達


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歩調を上手に合わせて 歩く練習?

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水の飲み方も 一生懸命真似しながら練習している。



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顔を上げてゆくタイミングも ピタっと同じ。
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よく見ると 目を大きく見開いて お手本をしっかり見ている。
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facebook にも上げたけれど、
この子、道化者で面白い。
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何 ちてんの?



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こちらも 手取り 足取り。
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じゃ、ボク ひとりでやってみる、とか言って、
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ブクブクブク、、、(それ、ちがうでちょ。)


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怒られた。

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ふたりで ごめんなちゃい。?
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暑い外でも 走りまわって お水飲んで チビ達は忙しい。

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生まれて来る命もあれば、

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老いて行く者も。

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この象は、どんな年月を送ってきたのだろう。
ヒトに、時代に翻弄されたけれど、少なくても
終わりよければ 全てよし、でありますように。


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あっという間に夕方 となり
周りには ひとっ子ひとり居なくなる。
怖そうなお兄さんに 追い立てられながら まだ日の高い動物園を後にした。


おとがき

その後、佐渡友陽一氏とお会いする機会を得て 話を伺うと、

「あれは、マナティーハウスにお金がかかり過ぎて、
象舎に手が回らなくなってしまっただけですよ。」

と仰り、アハハハ 、と笑っていらした。







# by maria-elephant | 2017-07-06 15:06 | 象を訪ねる
ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09184898.jpg
ニュールンベルグ動物園 入口




ニュールンベルグ動物園に、現在 象は居ない。
ただ 居ないだけではない。
没有 (ナイあるよ) なのである。

つまり、居ない、ということが、しっかり存在しているのだ。
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この象舎で 何頭かの象が飼われ始めたのは 1939年 5月 という。
第二次世界対戦で 動物園は大きな被害を被った。
しかし 象舎は 持ちこたえ、その後 改装が加えられていった。


ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09193862.jpg
ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09202299.jpg
ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09200060.jpg
最後に飼育されていたのは、Kiri とYvonne という2頭だったが、
病気にかかり 短期間のうちに 亡くなった。
(恐らく 安楽死 と思われる)

2008年のことで、どちらも40歳 前後だった。

象舎は 既にヨーロッパの象飼育ガイドラインに合わず
寒い季節、室内で暮らす事が多くなる象のために 施設の大改造が必須であった。

当時の市長は 象飼育の継続を望んだそうなのだが
動物園側が、「象の居ない動物園」を決定した。
旧象舎には、現在 インドサイが 暮らしている。


ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09161571.jpg
昔の象舎は 面影を残しながら 改装された。
ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09174471.jpg
ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09180423.jpg
現在 インドサイ の放飼場も、象が居たとしたって
決して狭いわけではない、
と思うのは 日本の動物園を見慣れているからだ。

ニュールンベルグ動物園 の象達_f0362800_09212620.jpg
佐渡友陽一 氏の 「日米独 の 動物園経営組織に関する研究」(20173月)
によると、

ニュールンベルグ動物園は 例年10万ユーロ、約1200万円の寄付が
(ほとんどは) 社団法人 ニュールンベルグ動物園友の会 を通じて寄せられる、という。

約 8億一千万円要した マナティーハウスの建設費のうち
2億5千万円は、この友の会からの寄付であったという。


象の多頭飼育、将来の繁殖も見込んでの飼育施設は
恐らく もうひと桁違う数字だろうと想像する。

少なくとも 敷地の広さは充分にあったとしても
動物の生態に合った 充分な飼育が出来ないのであるなら、
「飼わない。」

その選択が、ナイあるよ、の意味だ。

象が居ない、とクレームがあるのかどうかは知らない。
しかし、入園者数の減少はない、と聞く。

私自身、今回訪ねたドイツのそれぞれ個性的な5つの動物園のうち
もう一度是非訪ねたい、と心に印象が残っているのは ここである。

象への 気持ちの執着がなかったから、
かもしれないのだけど。




# by maria-elephant | 2017-07-02 15:06 | 象を訪ねる



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ヨーロッパ最大の駅舎を誇るライプツィヒ中央駅。
ライプツィヒ動物園はここからトラムで数駅、徒歩圏内だ。

駅近くに宿をとったので、朝 早く散歩しながら動物園へ向かう。

動物園のすぐ近くのアパートメント、
Residence Zoo とある。動物園が お庭の住まい?
ライプツィヒ の象達_f0362800_12595619.jpg
9時の開園前、隣接する公園を散策する。

ライプツィヒ の象達_f0362800_10063947.jpg
公園と言ったって、
私達がイメージする公園とは やっぱりすごくかけ離れている。
写真にも収めようのない広さ、美しさだ。

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あとで分かったけれど、この公園は動物園の借景となっている。
ライプツィヒ の象達_f0362800_12052141.jpg
動物園 入口
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ライプツィヒ動物園は、1878年の創設。

動物園の敷地は260,000m2 とのこと。
象舎は 右上 真ん寄りの部分にある。
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象舎に関して言えば、ヨーロッパ人が描くエキゾチックなイメージを
とことん盛り込んでいる。

動物園全体も、テーマパーク を目指しているようで
改修工事は2020年完成予定だそうだ。



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インドっぽい。

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タイっぽい。
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アンコールワット?

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ガネーシャもあちこちに。
ま、いいか。

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屋内プールの下は こんな仕掛けになっていて

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りんごが 放り込まれると

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ズボズボ 象が入って来る。

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りんごは だんだん 遠くに投げられるものだから

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ふわっ

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ぱくっ

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何とか 後ろ脚が着くから こんな格好を披露することに。

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上から見ると 分からないけれど
水の中は こういった状況。
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給湯システムの説明は、エコを強調。



ライプツィヒ の象達_f0362800_20510558.jpg
ここには 8頭の象が飼育されている、と紹介されている。
しかし 象はあちこちに散らばっているし
この紹介表示が どこにでもある訳ではなく、
どれが 誰だか なんて すぐ覚えられない。


年長は Saida 1973 年 インド生まれ。2006年に来園。
Thura 1974 年 インド生まれ 2014年8月 ハンブルグより来園。
Thinh 1982年 ヴェトナム生まれ。1986年に来園。
Don Chung 1982年生まれ。1984年来園。
Hoa 1985年 ヴェトナム生まれ 1987年来園。
Rani 2009年 ハンブルグ ハ−ゲンベック動物園生まれ。
母親Thura と共に 1984年8月来園。

Naing Thein 1980年ビルマ生まれのオス象。
1988〜2003 オランダ Emmen動物園
2003〜2009 プラハ動物園、2009年来園。

Voi 2002年 ライプツィヒ動物園生まれのオス。母親はTrinh.

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放飼場は いくつかの趣ある塀で仕切られているが
象は 勝手気ままに移動している。
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多分、仲良し同士、親子同士 とか色々 象関係があるのだろうから
観察していたい ところなのだけど。

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象施設の見取り図
横に広く 象を探して移動しなければならないが、
遠くて見えない、と言うことはない設計。
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アジア象についても 丁寧な展示があったけれども
ドイツ語が分からないのが悔やまれる。英語訳がないのが恨まれる。

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よく見ると、ただの岩ではない。
象の群れらしく型どってある。
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とにかく 楽しくならざるを得ない動物園だった。
ライプツィヒ動物園では、1960年初めに ゾウ天然痘を発症した、という
資料を読んだ事がある。きっと苦い経験も生かされているのだろう。


音楽好きには たまらない街でもあるライプツィヒ、
今回は 後ろ髪引かれながら 再び駅へ。
ゲヴァントハウス管弦楽団も 日本へ出張中だそうだし。







# by maria-elephant | 2017-07-02 12:52 | 象を訪ねる

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