人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

象を読む人 象を書く人

elefantasy.exblog.jp

象 を通して出会うこと。出会う人。

チョベな日々 ①



チョベな日々 ①_f0362800_09581834.jpg

ここは 南アフリカ ボツワナ北部に位置する チョベ国立公園。

以前、チョベ河でくつろぐ象の大群の映像を見た時、
何としてでも行きたい、と思った。
ガイドブックにも、簡単に象の大群に出会える場所、などと書いてあるから
期待に胸膨らませ到着、3日滞在したのだが、、、。

旅行社、ガイドブックの言うことは 鵜呑みにしてはいけないのだ。
雨季が終わる5月、と今回の旅を設定したのは 半年以上前である。
余裕を持って 「悪くはない」季節を選んだつもりだった。

チョベの前に滞在していたオカバンゴでは
今は「冬」だよ、動物は余り動かないよ、と言われ
えっ? 乾季が始まったところじゃないの? と噛み合わない問答。
無論 南半球である事は分かっていたけれど、オカバンゴは凍える寒さなのだ。

チョベ河のあたりは、それ程でもなかったが、河辺は閑散としている。
ガイドに確かめると、8月とか9月の超暑い時期に、動物はこぞって
水を飲みに河へ来る、と言う。でも、暑くて午後は外になど出られないよ、とも。

日本の四季の観念とか、東南アジアの雨季、乾季とは異なるアフリカのスケールは、
ちょっと想像に至らなかった。だいいち、チョベ国立公園だって多様な生態系を持つ。
湿地があり、湿原があり、森林があり、中間部は内陸地だ。

それに、季節や気候だけではない。
象はもちろん、みんなが大好きなアカシアの木は、私達が足を踏み入れられる辺りは
ほとんど食べ尽くされている。

象のエコシステム (食べて排出される種により 森が再生する) も 全く間に合わない。
アカシアが 芽を出し次第、皆でこぞって食べてしまうのだ。

象は 好物を求めて 山奥まで移動しており、涼しいこの季節は3日に一度くらい
水を飲みに ゆっくり河に降りて来るらしい。
季節によっては、 200km ほども移動するという。

という訳で 象の家族がうじゃうじゃとひしめく光景など やはり夢だった。
孤独な雄象が、仕方なくその辺の木の葉を突っついていたり、河辺を散歩してたり、
河の中で 水草を振り回しながら食事する姿を 観光客が必死に追う。
チョベな日々 ①_f0362800_09440109.jpg
チョベな日々 ①_f0362800_09434778.jpg
チョベな日々 ①_f0362800_10003924.jpg

山から降りて来る象達には、「偶然」の遭遇を待つしかない。

そして、その日の午後は その奇跡の偶然だった。
最後の日で 諦めかけていたまさにその時、
子象連れの群れが あっちにも こっちにも 河に降りて来たのだ。
チョベな日々 ①_f0362800_10082818.jpg
チョベな日々 ①_f0362800_09591183.jpg

サファリの車に乗って こちらがじっとしている限り、
象達は慣れているのだろう。車に触るくらいにして前を通り過ぎたり、

河に平行する車道を群が横断する時は、
「あなた達は ず〜っと赤信号よ!」とでも言うかのように
の〜んびり渡って行く。
運転手は、トラフィックジャムだ、と 象の渋滞に 両手を上げる。

子象に至っては、柔らかい砂の車道で遊び出したり、
車に向かって、「ここは僕んちなんだい!」と 耳を広げて どすん! と
小さな体で大きな意思表示をする。「生意気」を絵に描いたみたい。
チョベな日々 ①_f0362800_09595313.jpg
やっと通してもらい、我々も河辺に降りる。
チョベな日々 ①_f0362800_09494224.jpg
チョベな日々 ①_f0362800_09501340.jpg
チョベな日々 ①_f0362800_10014024.jpg
皆、河辺に出ると 鼻を伸ばしながら走り出して それは美味しそうに水を汲む。
どの群れにも 子象が2,3頭 ちょこまか くっ付いていて いたく健全な光景だ。

そして そのうち
象たちは 河を渡り始めた。
チョベな日々 ①_f0362800_10072825.jpg

象に 会えない間、ワニやトカゲなどもたくさん観察している。
大人の象には手出ししないワニも、子象となると話は別。
赤ちゃんを真ん中にして 慎重に渡って行く。

さて、中洲になっている離れ島には 何しに行くのだろう?
何組もの群れが 渡って行くのを、私達はじっと見ていた。

(続く)




チョベな日々 ①_f0362800_07384367.jpg
























by maria-elephant | 2017-06-05 10:38 | 象を訪ねる

by elefantasy