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象 を通して出会うこと。出会う人。

吉田遠志の動物絵本 13 象の家族「じひびき」

水を求めて 12頭の象の群れは 歩き続けている。
ひいお婆さん象は、小さい頃 水浴びした 故郷の池を思い出した。
遠い日、トビバッタの大群に襲われて 生まれ故郷を去ったのだった。(4巻 おもいで)

皆を連れて故郷に向かう行く手に 砂嵐が襲う。
小さい赤ちゃん象が飛ばされた!。
あと2頭の赤ちゃんは それぞれ母親象が抱きかかえ、
病気のお婆さん象も皆で取り囲んで守ってあげている。
吉田遠志の動物絵本 13 象の家族「じひびき」_f0362800_14494721.jpg

砂嵐が去ると 赤ちゃんを追った母親象は 行方不明になってしまった。

病気のお婆さん象は、もう立ち上がれない。
もう、楽にして、と 彼女の母親である ひいお祖母さん象に目で訴えている。

ひいお祖母さん象は 辛い辛い決心をしなければならなかった。

後方に下がると、じひびき を立てて 苦しむ娘のお婆さん象に全速力で向かった。
牙の一撃で、お婆さん象は 静かに永遠の眠りについたのだった。

いつまでも悲しんでいられない。
群は ひいお祖母さんの故郷に向かって 長い長い旅を続ける。
そしてやっと 懐かしい故郷の土の匂い。

ところが ひいお祖母さんが小さい頃あった 大きな池にも
水は一滴も残っていなかったのだ。
吉田遠志の動物絵本 13 象の家族「じひびき」_f0362800_11004181.jpg
その時、遠くから 地響き の音が聞こえた。





by maria-elephant | 2017-04-19 11:16 | 象を書く人

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