吉田遠志の動物絵本 13 象の家族「じひびき」
水を求めて 12頭の象の群れは 歩き続けている。
ひいお婆さん象は、小さい頃 水浴びした 故郷の池を思い出した。
遠い日、トビバッタの大群に襲われて 生まれ故郷を去ったのだった。(4巻 おもいで)
皆を連れて故郷に向かう行く手に 砂嵐が襲う。
小さい赤ちゃん象が飛ばされた!。
あと2頭の赤ちゃんは それぞれ母親象が抱きかかえ、
砂嵐が去ると 赤ちゃんを追った母親象は 行方不明になってしまった。
病気のお婆さん象は、もう立ち上がれない。
もう、楽にして、と 彼女の母親である ひいお祖母さん象に目で訴えている。
ひいお祖母さん象は 辛い辛い決心をしなければならなかった。
後方に下がると、じひびき を立てて 苦しむ娘のお婆さん象に全速力で向かった。
牙の一撃で、お婆さん象は 静かに永遠の眠りについたのだった。
いつまでも悲しんでいられない。
群は ひいお祖母さんの故郷に向かって 長い長い旅を続ける。
そしてやっと 懐かしい故郷の土の匂い。
ところが ひいお祖母さんが小さい頃あった 大きな池にも
その時、遠くから 地響き の音が聞こえた。
by maria-elephant
| 2017-04-19 11:16
| 象を書く人