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象 を通して出会うこと。出会う人。

吉田遠志の動物絵本 8 ヌー「まがったかわ」

再び 広大なサバンナを旅するヌーの大群だ。
2巻「まいご」で ライオンに襲われ傷を負った母親ヌーと
無事再会できたメスの赤ちゃんヌーもいる。

その赤ちゃんヌーは 迷子になった時、やはり迷ってひとりぼっちだった
男の子と知り合って 旅の道連れ同士となった。
この偶然は 運命でもある。 (参: 第16巻 あたらしいいのち)

ヌーの大群は 崖を降りて河を渡り始める。有名な光景である。
吉田遠志の動物絵本 8 ヌー「まがったかわ」_f0362800_11525511.jpg

ところが 対岸が崩れ堕ち、先を行ったヌーは次々と河に落ち溺れる。
背後から波のように仲間が押し寄せるので 戻るに戻れない。

そんな時、河の手前に 突然ライオンが数頭現れ ヌーを襲う。
河を降りようとしていた群れも方向を変え 遠くへと逃走始めた。
ライオンに襲われたヌーは犠牲となったが 大群は救われたわけだ。
この偶然も運命だ。

そして ヌー達は 、曲がった河の先に もっと安全に渡れる場所を見つけて
旅を続けてゆく。

仲良くなった 2頭の赤ちゃんヌーも無事だ。

運命とは 自然界の法則であるのかもしれない。

作者は 太古から流れ続ける河の雄大さを 心に描ける人なのだろう。
目の前はまっすぐな河でも 俯瞰すれば曲がりくねり
渓谷ばかりでなく 水をやさしくたたえる懐だってあるのだから。
吉田遠志の動物絵本 8 ヌー「まがったかわ」_f0362800_11574745.jpg
(左手の蟻みたいな黒い点が ヌーの大群)

by maria-elephant | 2017-04-18 21:30 | 動物を書く人

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