吉田遠志の動物絵本 8 ヌー「まがったかわ」
再び 広大なサバンナを旅するヌーの大群だ。
2巻「まいご」で ライオンに襲われ傷を負った母親ヌーと
無事再会できたメスの赤ちゃんヌーもいる。
その赤ちゃんヌーは 迷子になった時、やはり迷ってひとりぼっちだった
男の子と知り合って 旅の道連れ同士となった。
この偶然は 運命でもある。 (参: 第16巻 あたらしいいのち)
ところが 対岸が崩れ堕ち、先を行ったヌーは次々と河に落ち溺れる。
背後から波のように仲間が押し寄せるので 戻るに戻れない。
そんな時、河の手前に 突然ライオンが数頭現れ ヌーを襲う。
河を降りようとしていた群れも方向を変え 遠くへと逃走始めた。
ライオンに襲われたヌーは犠牲となったが 大群は救われたわけだ。
この偶然も運命だ。
そして ヌー達は 、曲がった河の先に もっと安全に渡れる場所を見つけて
旅を続けてゆく。
仲良くなった 2頭の赤ちゃんヌーも無事だ。
運命とは 自然界の法則であるのかもしれない。
作者は 太古から流れ続ける河の雄大さを 心に描ける人なのだろう。
目の前はまっすぐな河でも 俯瞰すれば曲がりくねり
by maria-elephant
| 2017-04-18 21:30
| 動物を書く人